LASファイルから作成した地形図。谷筋や作業道などの微地形が判読できる
LASファイル(グランドデータ)から作成した地形図

LASファイルをブラウザで開く無料ビューアの選択肢と、地形図まで作れる方法

「受け取ったLASファイルの中身を、とりあえず確認したい」

UAVレーザ測量や地上型レーザースキャナー、SLAM計測などを扱う現場では、日常的に発生する場面です。

この記事では、LAS形式の点群データを開く代表的な方法を整理したうえで、ソフトをインストールせず、ブラウザだけでLASファイルを読み込んで地形図まで作る方法を紹介します。

LASファイルとは

LASは、レーザ計測をはじめとする3次元点群データの保存や受け渡しに広く使われているファイル形式です。

米国写真測量・リモートセンシング学会(ASPRS)が仕様を策定しており、各点の座標(X・Y・Z)に加えて、反射強度、リターン番号、分類、RGBカラー、GPS時刻などの属性を格納できます。格納できる属性は、LASのバージョンやポイントデータレコード形式によって異なります。

UAVレーザ測量、地上型レーザースキャナー、航空レーザ測量、SLAM計測などの成果は、LAS形式または圧縮形式のLAZで納品・受け渡しされることがあります。

点群ビューアの代表的な選択肢

LASファイルを開く代表的なデスクトップソフトには、次のようなものがあります。

  • CloudCompare:無償で利用できるオープンソースの点群・メッシュ処理ソフトです。点群の表示だけでなく、切り出し、間引き、点群間の距離計算など、さまざまな処理に対応しています。
  • QGIS:無償で利用できるオープンソースのGISソフトです。QGIS 3.18で点群表示の仕組みが導入され、現行版ではLAS/LAZ形式の点群を読み込んで表示できます。地図や航空写真、ベクターデータなど、ほかのGISデータと重ねて確認しやすいことが特長です。
  • 各社の点群処理ソフト:計測機器メーカーやソフトウェアベンダーが提供する製品です。点群の分類、合成、ノイズ除去、出来形管理などの高度な機能を備えていますが、製品によってはライセンス費用がかかります。

いずれも実務で使われている有力な選択肢です。

一方、こうしたデスクトップ型のソフトは、基本的にPCへのインストールが必要です。自席のPCで使う場合は問題がなくても、次のような場面ではインストールがハードルになります。

  • 出先のPCで、ファイルの中身だけを確認したい
  • ソフトをインストールできない共用PCで作業したい
  • 取引先に確認してもらいたいが、相手が点群ビューアを持っていない
  • ソフトのセットアップや操作方法の説明に時間をかけたくない

インストール不要:ブラウザでLASファイルを開き、地形図を作る

hoshitori GEOは、LASファイルをドラッグ&ドロップするだけでブラウザに読み込み、その点群からCS立体図などの地形図を作成できるツールです。

ソフトをインストールする必要はありません。登録後2週間の無料トライアルが提供されています。

基本的な手順は、次のとおりです。

  1. ブラウザでhoshitori GEOを開き、LASファイルをドラッグ&ドロップする
    hoshitori GEOにLASファイルをドラッグ&ドロップで読み込んだ画面。点の数約6,800万点、平面直角座標系II系(EPSG:6670)と自動で読み取られている
  2. 地図上に表示されるデータ範囲と、地形の下見プレビューで、点群の位置、広がり、形状を確認する
    読み込んだ点群から作られた地形の下見プレビュー。地図上のデータ範囲(橙色の破線)内に、標高で色分けされた地形が表示されている
  3. 必要な範囲を指定して切り出したり、その範囲からCS立体図などの地形図を作成したりする
    点群から必要な範囲を切り出し、押し出し立体図を作成した画面。向き・見下ろし角・高さの強調を切り替えられる
    切り出した範囲から作成した押し出し立体図

なお、hoshitori GEOは、生の点群を1点ずつ3D表示する「点群ビューア」ではありません。読み込んだ点群を格子化し、地形の下見プレビューの表示と、CS立体図などの地形図の作成に使う仕組みです。点そのものを回転・拡大しながら詳細に確認したい場合は、CloudCompareなどのインストール型ビューアが適しています。

LASファイル本体の処理は、ブラウザ内、つまり利用している端末上で行われます。ファイル本体が外部サーバーへアップロードされないため、計測成果や納品前のデータなど、外部への送信を避けたいデータを扱う場合にも検討しやすい仕組みです。

ただし、利用の可否は、所属する組織や発注者が定める情報セキュリティ規程に従って判断してください。

対応するLASのバージョンは1.2~1.4です。圧縮形式のLAZには対応していません。

日本の平面直角座標系の座標値を持つLASファイルに対応しており、1回につき1ファイルを読み込めます。

読み込んだ点群から、CS立体図を作成して微地形を確認することもできます。CS立体図については、別記事「CS立体図とは?作り方をやさしく解説」で詳しく紹介しています。

LASファイルから作成した地形図。谷筋や作業道などの微地形が判読できる
LASファイル(グランドデータ)から作成した地形図(立体地形図:段彩+陰影)

なお、建物や樹木などの非地表点が入力データに含まれている場合、作成した地形図にもそれらの影響が表れることがあります。地表面の微地形を判読する場合は、地表面点を分類・抽出した点群(グランドデータ)を使用するのが適しています。

※機能、対応形式、無料トライアルの提供条件などは、今後変更される場合があります。利用前に最新の仕様をご確認ください。

用途に応じた使い分け

インストール型のソフトが適しているケース

  • 生の点群を3D表示して、点単位で詳細に確認したい
  • 点群の分類、ノイズ除去、間引きなどの処理を行いたい
  • 地表面点の分類や抽出を行いたい
  • 複数の点群を合成・位置合わせしたい
  • LAZ形式のファイルを扱いたい
  • 大容量の点群を継続的に処理したい
  • 複数ファイルの一括処理や自動処理を行いたい

ブラウザツールが適しているケース

  • 受け取ったLASファイルの位置や地形の概形をすぐ確認したい
  • ソフトをインストールできない環境で作業したい
  • LASファイルを外部サーバーへアップロードせずに確認したい
  • 点群から必要な範囲を切り出したい
  • 点群からCS立体図を作成したい
  • 一時的な確認のために、専用ソフトをセットアップしたくない

よくある質問

LASとLAZの違いは何ですか?

LAZは、LASファイルを可逆圧縮した形式です。

圧縮・展開によって点群の情報が失われることはなく、一般にLASよりもファイルサイズを小さくできます。ただし、LAZファイルを読み込むには、LAZ形式に対応したソフトやツールが必要です。

hoshitori GEOは、現時点ではLAS形式に対応していますが、LAZ形式には対応していません。LAZファイルを使用する場合は、あらかじめ対応ソフトでLAS形式に展開する必要があります。

ブラウザで大きなLASファイルを開けますか?

ブラウザ内で処理するため、読み込めるデータ量や表示速度は、利用している端末のメモリ、ブラウザの制限、点数、属性数などに左右されます。

同じファイルサイズでも、点の数や格納されている属性によって、必要なメモリ量は異なります。そのため、「何MBまでなら必ず開ける」と一律に示すことはできません。

読み込みに時間がかかる場合や、ブラウザが応答しなくなる場合は、CloudCompareなどのインストール型ソフトを使って、点群を分割または間引きしてから読み込む方法が現実的です。

地図で囲むだけ。DEM点群・CS立体図をブラウザで。

hoshitori GEO は、地図上で範囲を囲むだけで国土地理院の5m/10mメッシュ標高DEMを取得し、点群(LAS/XYZ)やCS立体図(位置情報つきPNG)をその場で作れるブラウザツールです。インストール不要。

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