hoshitori GEOで国土地理院のDEMから生成した点群データを3D表示した画面。データ源の違いにより赤と青の2色で塗り分けられている
国土地理院の5m・10mメッシュDEMから生成した点群データの3D表示(青=5m・赤=10m)

5mメッシュ標高データ(DEM)のダウンロード方法基盤地図情報の手順と、もっと簡単な方法

「対象範囲の5mメッシュDEMが欲しいだけなのに、手順が多くて時間がかかる」と感じたことはありませんか。

この記事では、国土地理院の標高データ(数値標高モデル)の種類を整理したうえで、基盤地図情報ダウンロードサービスでの取得手順とつまずきやすいポイント、そしてブラウザだけで範囲を囲んでLAS点群として取得する方法を紹介します。

国土地理院の数値標高モデル(DEM)とは

国土地理院は、地表面の高さを格子状に記録した「数値標高モデル(DEM)」を、基盤地図情報として無償で提供しています。

現在提供されている主なDEMは、次のとおりです。

  • 1mメッシュ(DEM1A):航空レーザ測量の成果から作成
  • 5mメッシュ(DEM5A):航空レーザ測量の成果から作成
  • 5mメッシュ(DEM5B・DEM5C):写真測量の成果から作成
  • 10mメッシュ(DEM10A):火山基本図の等高線から作成
  • 10mメッシュ(DEM10B):地形図の等高線から作成

1m・5m・10mメッシュのDEMは、いずれも基盤地図情報ダウンロードサービスから無償で取得できます。ただし、ダウンロードには無料の利用者登録とログインが必要です。

DEM10Bは日本全国をカバーしていますが、1m・5mメッシュは提供されていない地域もあります。対象地域に高解像度のDEMがない場合は、10mメッシュを利用するのが基本です。

1mメッシュ(DEM1A)は2023年11月に提供が始まり、その後も対象地域が順次拡大されています。ただし、全国すべての地域で利用できるわけではないため、取得前に国土地理院の提供範囲を確認する必要があります。

なお、1mメッシュDEMと、航空レーザ測量によって取得された点群データ(原点群)は別のデータです。1mメッシュDEMは地表面の高さを約1m間隔で格子化したデータで、無償で取得できます。一方、国土地理院が有償で提供している点群データには、地表面だけでなく、建物や樹木などの高さも含まれます。

従来の方法: 基盤地図情報ダウンロードサービス

正攻法は、国土地理院の「基盤地図情報ダウンロードサービス」からの取得です。大まかな手順は次のとおりです。

  1. 利用者登録(無料)をして、ログインする
  2. 「数値標高モデル」を選択する
  3. 検索条件でメッシュの種類(5mメッシュ・5Aなど)を指定する
  4. 地図上で対象の区画(メッシュ)を選択するか、市区町村単位で指定する
  5. ダウンロードリストからZIPファイルを取得する

ダウンロード後に待っている「変換」の壁

多くの人がつまずきやすいのが、ダウンロード後の変換作業です。

基盤地図情報の数値標高モデルは、JPGIS(GML)形式のXMLファイルとして提供されています。ダウンロードしたデータはLAS形式ではないため、LAS形式の点群データとしてGISやCADで利用するには、データ形式の変換が必要です。

変換方法としては、XMLファイルをいったんGeoTIFF形式などに変換したうえで点群化する方法や、XMLファイルから座標と標高値を抽出し、LAS/XYZ形式に変換する方法があります。

代表的な変換ツールには、次のようなものがあります。

  • QGISプラグイン「QuickDEM4JP」:基盤地図情報のXMLファイルやZIPファイルを読み込み、GeoTIFF形式などに変換できます。
  • 株式会社エコリスの「標高DEMデータ変換ツール」:JPGIS(GML)形式の1m・5m・10mメッシュDEMを、GeoTIFF形式などに変換できます。
  • 国土地理院の「基盤地図情報ビューア」:基盤地図情報の表示や、数値標高モデルのShape形式への変換ができます。

これらのツールでGeoTIFFなどに変換した後、必要に応じてLAS形式への追加変換を行います。入力データの種類や出力形式、座標参照系、平面直角座標系の系番号などを適切に設定しなければならず、「対象範囲のLASデータをすぐに取得したい」という場合には、大きな作業負担になることがあります。

もっと簡単な方法:ブラウザで範囲を囲み、LASデータとして取得する

hoshitori GEOは、地図上で対象範囲を指定することで、国土地理院が無償で提供している5m・10mメッシュDEMを取得し、LAS形式やXYZ形式で出力できるブラウザツールです。

ソフトをインストールする必要はありません。登録後2週間の無料トライアルが提供されています。

基本的な手順は、次のとおりです。

  1. 地図上で対象範囲をポリゴンまたは矩形で囲む
    KML/GeoJSONファイルの読み込みにも対応しています。現行仕様で指定できる面積は100km²までです。
    hoshitori GEOで対象範囲を赤いポリゴンで囲んだ画面。範囲を囲むと5mメッシュDEMの有無が代表判定で色分け表示される
  2. 5mメッシュDEMの有無を地図上で確認する
    範囲を囲むと、実際にデータの有無を照会して区画ごとに色分け表示します(広い範囲では代表箇所のみの判定になります)。事前のリストではなく、その都度の実測です。
    詳しく判定を実行した画面。全区画が5mあり(緑ハッチ)と5mなし・10mのみ(グレー)に色分けされている
  3. LAS形式またはXYZ形式でダウンロードする
    出力座標系には、測量実務で使用される平面直角座標系を指定できます。系番号は範囲から自動判定され、手動でも変更できます。LASは平面直角出力時にEPSGコードを埋め込むため、GISに読み込むとそのまま正しい位置に載ります。
    出力設定パネル。平面直角座標系(JGD2011)と系番号の自動判定、LAS/XYZ形式、取得内容(タイル数・概算点数・概算サイズ)の確認が表示されている
    出力座標系・形式を選んで取得内容を確認できる

国土地理院のダウンロードサービスでメッシュを指定したり、取得したXMLファイルをLAS形式へ変換したりする作業を省略できます。5mメッシュと10mメッシュが混在する範囲も、まとめて扱えます(場所により点の密度は変わります)。

同じ範囲から、点群ファイルを経由せずにそのままCS立体図を作ることもできます。作り方は別記事「CS立体図とは?作り方をやさしく解説」で紹介しています。

なお、hoshitori GEOから出力されるLASデータは、国土地理院の5m・10mメッシュDEMの格子点をLAS形式に変換したものです。航空レーザ測量で取得された建物や樹木を含む原点群ではありません。

国土地理院の点群・標高データの整備状況は、新着情報ページで毎日自動チェックしています。

※機能や出力形式は今後変更される場合があります。

用途に応じた使い分け

基盤地図情報ダウンロードサービスが適しているケース

  • 100km²を超える広い範囲のデータを取得したい
  • 元のJPGIS(GML)形式のXMLデータが必要
  • 無償提供されている1mメッシュ(DEM1A)を利用したい
  • データ変換を自社のワークフローや自動処理に組み込んでいる
  • DEMの種類や作成年月日を細かく指定したい

ブラウザツールが適しているケース

  • 対象範囲のLASデータをすぐに取得したい
  • 無償提供されている5m・10mメッシュDEMをLAS/XYZ形式で利用したい
  • XMLからLASへの変換作業を省略したい
  • 5mメッシュDEMの有無を地図上で確認しながら範囲を決めたい
  • ソフトをインストールせずに作業したい

よくある質問

5mメッシュと10mメッシュはどう違いますか?

作成方法と精度が異なります。5mメッシュは航空レーザ測量または写真測量の成果から作成された高精度なデータで、10mメッシュは地形図などの等高線から作成されています。5mメッシュは整備されていない地域があるため、対象範囲に5mがない場合は10mで補います。

ダウンロードした標高データは無料で使えますか?

基盤地図情報は無償で提供されており、出典を明記することで利用できます。ただし基盤地図情報は基本測量成果のため、利用方法によっては測量法に基づく「複製」または「使用」の承認申請が必要になる場合があります。公開や商用利用の際は、国土地理院の「測量成果の利用手続」を事前に確認してください。

地図で囲むだけ。DEM点群・CS立体図をブラウザで。

hoshitori GEO は、地図上で範囲を囲むだけで国土地理院の5m/10mメッシュ標高DEMを取得し、点群(LAS/XYZ)やCS立体図(位置情報つきPNG)をその場で作れるブラウザツールです。インストール不要。

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